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ラフマニノフが使ったという基礎練習方法(和音、アルペジオ、スケール)

いろいろとロシアのピアノ教育メソッドについて興味がある中で、つい「Sergei Rachmaninoff School of Musicianship and Technique: A Guide for Keyboard Performers」という本を買ってしまいました。なかなか興味深いので、中身をご紹介します。

ロシア的なテクニックの基礎訓練というと、"Formula Pattern (a.k.a ロシアン・スケール)"を使った方法を以前調べましたが、この本で紹介されているのは、また別の方法です。特に正式名称はないようですが、 "common-tone study/approach" と呼ばれていそうです。
実は遠い昔に、ムジカノーヴァの特集で似たようなものを読んだことがあった気がしたのですが、どこかにいってしまって困っていました。この方法もいろいろと派生流派があるようなので完全に同じではないでしょうが、この本の内容は大変参考になります。

この方法は、アルペジオやスケールを練習するときに、24の調性別に練習するのではなく、与えられた一音に対して、最初の音をそれに固定し、その音から始まるいろいろなパターンを練習するというものです。
例えば、Aが与えられた場合、A, Am, F/A, Aaug, F#m/A, D/A, Dm/A, A7, F7/A, D7/A, B7/A, Adim と次々に3和音、もしくは4和音のアルペジオを練習する、というものです。(アルペジオ同様に、スケールも A から始まるいろいろなものをやります)

この方法は、ラフマニノフが作ったメソッドではなく、当時の伝統に従って練習に使っていたものですが、ラフマニノフは 1923 年に Etude Magazine にこれに関する寄稿を行ったようです。もともとは、Leschetizky に始まる歴史のあるもので、例えば、Leschetizkyの生徒による以下の本は、25種類のコードパターン(on C)を紹介しています。
The Groundwork of the Leschetizky Method (Brée, Malwine)

また、類似のもので、The Modern Pianist という本の中では、33のパターン(異名同音など含む)が紹介されていますし、この頃の教育ではこのアプローチが使われていた形跡はさまざまなところにあるようです。例えば、Josef Lhevinne はラフマニノフとほぼ同時期に common-tone についてを書いています。

調性を固定してしまうと、練習中にそういうモードになってしまい、テクニックだけの練習になりがちですが、この練習方法は、調を固定しないので、単なるテクニックの練習だけでなく、メンタルとしても即時にさまざまな調に対応出来る感覚が養うことが出来ます。テクニックと音楽家への素養を、同時にマスター出来るのが売りのようです。
また、ラフマニノフへの作品影響も多々見られていて、この common-tone approach を使ったものがたくさんあるようです。(例:ピアノ協奏曲2番の冒頭や前奏曲 op.3-2 の最後)

バリエーションの数をいくつにするのかは、いろいろな流派があるようですが、ラフマニノフが提示した12のコードというのは、音楽的に練習に必要なコードをきちんと満たしている上、augコードがあるのがよいとされているようです(augコードは他の版で抜かれることもあるが、ラフマニノフが含めていることに従ったほうがよい)。この本の12のコードは、まさにラフマニノフが並べた順になっていて、そういう意味でも有益でしょう。
本の対象は、中の上~上の下くらい。アルペジオの練習は、特にラフマニノフの指定はないものの、連続して出来るようになっているので、そのほうがよいでしょう。アルペジオは2オクターブの楽譜が提示されていますが、上級者は4オクターブにしてよいようです。

和音、アルペジオ、スケールと練習方法が提示されていて、最後に応用についてが記載されています。

この本は英語で書かれているのですが、実際には中身の9割は楽譜ですし、この common-tone approach の意味さえわかっていれば、英語を読まなくても十分に楽しめます。お値段もお安いので、もっと広く知られてもよいのではないかな、と思いました。

Sergei Rachmaninoff School of Musicianship and Technique: A Guide for Keyboard Performers
Sergei Rachmaninoff School of Musicianship and Technique: A Guide for Keyboard Performers

なお、いろいろ書きましたが、私はまだこの本を使って練習していません。今度練習するときに是非やってみたいと思います。
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[ 2016/12/24 23:32 ] ピアノ | TB(0) | CM(2)

ロシア語を習い始めました

最近、少しずつロシア人の友人も増え、周りの日本人にもロシア語が出来る人、勉強しているが増えたこともあって、自分も勉強してみることにしました。
それまでも、テレビやラジオのロシア語講座を軽く受講したり、また、iPhoneアプリの「nemo」を使って通勤時間に基本単語を少し勉強していましたが、やはり個人的に習うというのは格段と違います。
ちなみに、nemo というアプリは、なかなか良くて気に入っていますが、詳しい方に言わせると、ところどころ不自然な言い回しがあるようです。(特に話題になったのは、「トイレはどこにありますか」)。
Nemo ロシア語 - 無料版iPhoneとiPad対応ロシア語学習アプリを App Store で

で、スカイプ英会話慣れしていることもあり、知り合いの紹介で、以下のスカイプ・スクールで Jenya 先生に週に1回習っています。
http://ruschool.net/

受講開始時の私のロシア語能力は、アルファベットの判別と、基本挨拶程度ですが、先生は英語が出来るので何とか授業にはなっています。
こんな自分でも、一応先生はゆっくりロシア語で最初説明して、さっぱりわからないのですが、その後同じことを英語で説明して下さります。で、毎回、理解したかどうかを確認するため「ヤーパニマーユ (I understand)」という必要があります。(わからないときは、わからないという)
授業のテキストは、Googleドキュメントを使っているのですが、先生と自分とで共有された、自分だけのテキストとして編集していけるので、直接メモも取れるし、必要なら日本語で書き込めるし、先生も必要なことをどんどん書いてくれるので、とてもやりやすいです。授業中も、先生が書き込むと、手元にリアルタイムに反映するので、面白い仕組みだと思いました。
1回あたり1時間で、これまで5回のレッスンを受けましたが、毎回それなりに進むので、真剣に復習しないと大変です。文法はあっという間に過去形に突入です。
ちなみに、お値段は、フィリピン英会話に比べると高いですが、とても毎日は受講出来ないので、結果的に毎月あたりはそんな変わりません。

自分の課題は、新しい単語を覚えることで、1つの単語を覚えるのに、なかなか時間がかかります。
そこで、quizlet というサイトを使って覚えることにしました。
https://quizlet.com/
このサイトはなかなか素晴らしくて、入力した単語をフラッシュカードにしてくれるだけでなく、単語を自動的に読み上げてくれます。私は、まだロシア語の単語の正しい発音がわからないことのほうが多いので、非常にありがたいです。自動音声の精度はわかりませんが、英語や日本語の読み上げを見る限り、大丈夫そうな気がします。なお、ロシア語の入力もまだ出来ないのですが、テキストからコピー&ペーストで作れるのもよいです。
また、quizlet に入力した単語は、Flashcards Deluxeというアプリを使うと、iPhone に取り込んで勉強することが出来ます。多分quizlet のアプリもあるので、そっちでも大丈夫なはずですが、昔から使っているので、モバイルはこちらのアプリで勉強しています。
テキストも Google ドキュメントなので、アプリを入れれば iPad に入れることが出来るので、通勤時間はだいたい何とかなります。
なお、授業が終わると、先生が毎回、音声を mp3 で送ってくれますので、これを聞いて勉強することも出来ます。(私はあまり聞いていなくて反省)

文法は、一応日本語書籍で確認したいと思い、手元にロシア語の本はいくつかあるのですが、だいたい以下で復習しています。
ゼロから始めるロシア語
ゼロから始めるロシア語

今の年齢で新しいことを学ぶのは大変なのですが、基本1000単語+基礎文法+瞬発力(英検4級相当と瞬発英作文)があれば、なんとかなるのではないかと信じて、とりあえず1年ほど勉強しようと思います。
折角自分は IT 技術者で、英語が出来るというアドバンテージがあるので、この2つを活用して、高速道路で行きたいです。
同士の方々、頑張りましょう!
[ 2016/09/19 23:06 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

当日券情報(Tribute to Sultanov Vol.3)

2016年7月29日(金)に開催予定の、Tribute to Sultanov Vol.3 ~今泉響平ピアノリサイタル~ は、当日券の販売を予定しております。

Tribute to Sultanov Vol.3 ~今泉響平ピアノリサイタル~

チケットは当日 18:00 より会場にて販売予定です。会場のキャパシティは十分ですので、開演時間ギリギリであっても大丈夫です。
なお、7/28(木)の深夜12:00 まで、前売りとしてチケットのご予約を承ります。
もし、ご都合よろしければ、是非ルーテル市ヶ谷へお越しください。
[ 2016/07/27 23:36 ] ピアノ | TB(0) | CM(0)

ショパンのバラード4番(スルタノフ演奏より)

最近、久しぶりにスルタノフが演奏するショパンのバラード4番を聞いています。
その中には、わかりやすいところから、気がつかないところまで、いろいろと工夫がされてるのですが、最近はっと気がついた2点はここ。



まずこの2:23のところ、右手の経過音として As が加わっていますが、よく聞いてみると、もう一工夫しているように聞こえます。(追記:Desをあわせて追加していると教えて頂きました)

さらに、最後のコーダの9:13では、小節最後のB(フラット)の音をナチュラルにしてお洒落に弾いているようです。
(この工夫は1996年の録音からは聴き取れなかったので、新しい技なのかもしれません)

他にもじっくり聞けば、プロの工夫というのがあちこちにあるはずなのですが、今日のところはこの2つに注目してみました。

ちなみに、以下はショパンコンクールのときの演奏ですが、このときは上記の工夫は見られないので、こちらはコンクールナイズされた演奏であることがわかります。
[ 2016/05/03 14:43 ] ピアノ | TB(0) | CM(0)

コンサート(Tribute to Sultanov Vol.3) 開催のお知らせ

今年も、「Tribute to Sultanov」シリーズを開催出来ることになりました。前回に引き続き、スルタノフへのリスペクトをテーマにコンサートを開催します。
ピアニストは、前回に引き続き、モスクワ音楽院に学ぶ今泉響平さんです。
今回は、ショパンのピアノソナタ第3番、リストのピアノソナタ、と、まさにスルタノフの1999年のコンサートプログラムを再現するような企画となりました。スルタノフファン、今泉さんファン、ロシアピアニズムファンの皆様、是非足をお運びください。

公演タイトル:Tribute to Sultanov Vol.3 ~今泉響平ピアノリサイタル~
- アレクセイ・スルタノフへのリスペクトを込めた、2大ソナタへの挑戦-


日時: 2016年07月29日(金) 18:30 開場 19:00 開演
会場: ルーテル市ヶ谷ホール

出演
ピアノ:今泉 響平
トーク:村上 雄介

主催: アレクセイ・スルタノフ支援会
後援: 一般社団法人 全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)、MPM企画
チケット申し込み専用サイト
PC : https://goo.gl/Ql2zCP
Mobile : https://goo.gl/ONVg6k
お問い合わせ: sultanovpf@yahoo.co.jp

プログラム:
ショパン:マズルカ op.56
ショパン:幻想即興曲 op.66 (スルタノフ編)
ショパン:ピアノソナタ第3番 op.58
リスト:ピアノソナタ S.178
曲目・曲順が変更になる場合がございます。

前売:3,000円 当日:3,500円
全席自由

参考:今泉響平さんの演奏動画
[ 2016/04/10 23:49 ] ピアノ | TB(0) | CM(0)



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